学会ポスターはA0(841 × 1189 mm)か36 × 48インチが一般的です。
まず採択通知のメールで、指定されたサイズを確認してください。一般的なサイズよりも、実際の掲示パネルの寸法が優先されます。サイズが決まった後に重要なのは、限られた紙面をどう使うかです。ポスターは文書をそのまま拡大・縮小するものではなく、決まった広さを区切って構成するものです。
この記事では最初に寸法を示し、その後で読みやすさを左右する段組みと、図に使えるスペースの考え方を説明します。
学会ポスターの標準サイズ
主に使われているのは、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの多くで採用されるISOのA判と、北米で一般的なインチ表記の二つです。両者の寸法は正確には一致しないため、学会では通常どちらか一方の規格でサイズを指定します。
| サイズ | ミリメートル | センチメートル | インチ | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| A0 | 841 × 1189 | 84.1 × 118.9 | 33.1 × 46.8 | 北米以外で一般的なサイズ |
| A1 | 594 × 841 | 59.4 × 84.1 | 23.4 × 33.1 | 小規模なシンポジウムや学内研究発表会 |
| A2 | 420 × 594 | 42.0 × 59.4 | 16.5 × 23.4 | 学生の発表や廊下での掲示 |
| A3 | 297 × 420 | 29.7 × 42.0 | 11.7 × 16.5 | 配布資料やミニポスター。掲示パネル用にはあまり使われません |
| 36 × 48インチ | 914 × 1219 | 91.4 × 121.9 | 36 × 48 | 北米の標準的な縦長サイズ |
| 48 × 36インチ | 1219 × 914 | 121.9 × 91.4 | 48 × 36 | 同じパネルを横向きにしたサイズ |
| 24 × 36インチ | 610 × 914 | 61.0 × 91.4 | 24 × 36 | 北米の小型掲示パネル |
| 電子ポスター 16:9 | — | — | 40 × 22.5 | 画面表示専用。7680 × 4320 pxで書き出します |

注意
サイズごとの段組みの目安
段数は面積ではなく、紙面の幅に合わせて決めます。A0縦は3段、48 × 36の横長は4段が使いやすい構成です。A2では2段にすると、本文の行が短くなりすぎるのを防げます。
| サイズ | 適した段数 | 各段の幅の目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| A0縦 | 3 | 25–27 cm | 1 : 2 : 1の構成で、結果の段を通常の倍幅にすることもできます |
| A0横 | 4 | 27–29 cm | 増えた幅は本文を横に広げるより、段を追加するために使います |
| A1縦 | 3 | 17–18 cm | やや窮屈です。2段にすると、本文24 ptでも読みやすくなります |
| A2縦 | 2 | 18–19 cm | 3段にすると、読みやすい行長を確保しにくくなります |
| 36 × 48インチ・縦 | 3 | 10–11インチ | 北米でのA0縦に相当する段組みです |
| 48 × 36インチ・横 | 4 | 10–11インチ | 段の幅を変えずに、段を一つ増やせます |

文字サイズと読む距離
| 要素 | A0 / 36 × 48 | A1 | A2 |
|---|---|---|---|
| タイトル | 85 pt | 60 pt | 42 pt |
| 著者名・所属 | 56 pt | 40 pt | 28 pt |
| セクション見出し | 45 pt | 32 pt | 26 pt |
| 本文 | 26 pt | 26 pt | 22 pt |
| 図のキャプション | 24 pt | 18 pt | 16 pt |
変わらない数値に注目してください。A0からA1になると紙面の面積は半分になりますが、本文は26 ptのままです。文字も紙と同じ比率で縮小するとA1の本文は18 ptになり、1メートル離れて立っている読者には読みづらくなります。
A2は例外で、本文を22 ptにしています。学会会場の通路越しではなく、廊下や学内の掲示板で、より近づいて読むことが多いためです。
図に使えるスペースはどれくらいか
3段組みのA0では、見出し、キャプション、余白を確保すると、図に使えるのは全体の約40–50%です。来場者が足を止めるきっかけになるのは図なので、この割合を基準に内容を計画するとよいでしょう。
作り始める前に、掲載する図の数を数えてみてください。A0に六つの図を載せると、1図あたり約4分の1段を使え、1メートル離れた位置からも読める広さを確保できます。同じパネルに十二の図を載せると、1図あたりのスペースはその半分になります。それでは研究の主張を伝えるポスターというより、資料を詰め込んだ一覧になってしまいます。
各図の大きさは、二つの制約で決まります。
- 段の幅が図の横幅の上限になります。 紙面全幅を使う配置にしない限り、図を段より広くすることはできません。
- 縦横比が図の高さを制限します。 科学図表の縦横比は、縦長の約3:4から横長の16:9程度です。その範囲から無理に変えると、切り抜きや余白の追加が必要になります。

1段に収まらない横幅が必要な図は、小さく押し込まずに、紙面全幅を使う行を設けましょう。幅が紙面の4分の1で高さが紙面全体に及ぶ図より、全幅を使って高さを半分にした図のほうが読みやすくなります。
学会に合ったポスターサイズの選び方
採択通知のメールに記載されたサイズを使ってください。記載がない場合は、会場のウェブページに掲載された掲示パネルの寸法を優先します。何も公表されていない場合、北米以外ではA0縦が無難な初期案です。
学会ごとの指定は、予想以上にさまざまです。ポスター発表要領の記事を作成するために確認している37の学会では、次のような条件がありました。
| 指定内容 | 学会数 |
|---|---|
| A0縦が必須または推奨 | 8 |
| A0横 | 4 |
| 正方形のパネル:46 × 46インチ、110 × 110 cm、1 × 1 m | 4 |
| 北米の横長パネル:8 × 4フィート、6 × 4フィート | 5 |
| 口頭発表に16:9のスライドが必要 | 10 |
| 執筆時点でサイズが未公表 | 10 |
印刷とファイルの設定
倍率100%でPDFに書き出し、印刷会社には拡大・縮小しないよう伝えてください。画像の解像度は、元のサイズではなく、ポスターに掲載する実際の大きさで少なくとも300 dpiが必要です。
- 制作を始める前に、紙面を最終的な寸法に設定します。半分の縮尺で作ってから拡大すると、線の太さや文字サイズのずれも2倍になります。
- 電子ポスターは、アップロード前にファイル容量の上限を確認してください。500 MBを上限とする学会も多くあります。
- A4用紙1枚で試し刷りし、腕を伸ばした距離で読んでみてください。その距離で読めない文字は、2メートル先からも読めません。
各サイズのテンプレート
最初の表にある各サイズには、その寸法を設定済みのテンプレートがあります。この記事で紹介した段組みと文字サイズも組み込まれています。
関連する読み物: template:poster-conference, 学会ポスターの参考例18選(2026年), テキストから図表.



