FigureLabsで補えない入力・編集・書き出しの要件があれば、代替ツールを比較しましょう。

改善したいのは作業のどの部分か

比較の出発点は、自分のプロジェクトでまだ満たせていない要件です。特に重要なのは、次の四つです。
- 入力素材: 手元にある論文、プロンプト、スケッチ、写真、参考画像、既存の図から作業を始められますか。
- 修正方法: 共著者がラベルの誤りや要素の配置ミスに気づいたとき、全体の構図を失わずにその部分だけ変更できますか。
- 受け渡し: スライド、査読、最終的な制作工程でも使い続けられるファイルを渡せますか。
- 費用の仕組み: 単発のプロジェクト、個人で継続する作業、研究室で共有する作業のどれに費用をかけますか。
FigureLabsはAIイラスト、編集可能なフローチャート、実データのグラフ化を一つにまとめています。複数の入力形式に対応し、有料アクセスではSVGやPPTXの書き出しも利用できます。これを前提に、残っている要件をBioRenderやSciFigがより直接的に満たせるかを考えましょう。
FigureLabs・BioRender・SciFigの比較表

総合点よりも、終わらせたい作業を基準にすると違いが明確になります。
| ツール | 適した出発点 | 主な編集方法 | 受け渡しに使える形式 | 向いている利用者 |
|---|---|---|---|---|
| FigureLabs | テキスト、資料、スケッチ、写真、参考画像、表データ | AIによる調整とキャンバス編集。フローチャートとグラフには専用の作業フロー | 作業内容とプランに応じてPNG、JPG、SVG、PPTX、グラフのPythonコード | イラスト、編集可能なフローチャート、実データのグラフ化を一つの製品で行いたい研究者 |
| SciFig | テキスト、PDF、スケッチ、写真、参考画像、既存の図に対応する専用ツール | ラスター画像のSVG化と、Vector Canvasでの既存SVGの直接編集。文言はテキスト編集、ラスター画像の調整は図表エンハンス | 編集可能なPPTX、レイヤー付きSVG、8K PNG、JPG | 元の資料から図を作り、SVG要素を編集し、サブスクリプションと単発購入を使い分けたい研究者 |
| BioRender | 厳選されたアイコンやテンプレート、空のキャンバス、AIが生成した編集可能な下書き図 | ドラッグ&ドロップによる構成、科学図表用の描画ツール、AIによる編集支援、チーム共同作業 | 有料プランでは出版利用の許可が付いた高解像度JPEG、PNG、PDF | 大規模で統一感のある素材ライブラリと、共通のデザイン体系を重視する生命科学系チーム |
作業の不足を補うFigureLabsの代替ツールは?
BioRender:生命科学チーム向けの整備されたビジュアル体系
BioRenderは編集可能な下書き図の生成や、AIによる変更の支援にも対応しています。主な強みは、厳選された素材、キャンバスの操作、共有フォルダ、チーム管理を組み合わせて使えることです。学術出版での利用はIndividualプランからで、AI生成は追加オプションです。そのため、チームが素材ライブラリと共同作業機能を日常的に使うほど価値が高まります。
SciFig:元の資料から編集可能な成果物まで
手元の素材から始める
図全体を描き直さずに誤った部分を修正する
編集を続けられるファイルを書き出す
SciFigは編集可能なPPTX、レイヤー付きSVG、8K PNG、JPGを書き出せます。共著者はスライド上で作業を続けられ、デザイナーにはレイヤー付きのベクターデータを渡せます。著者は高解像度のラスター画像も提出できます。科学的な内容の確認は必要ですが、成果物を一枚の平面画像だけで終わらせる必要はありません。
足りない工程に合わせて選ぶ
チームで使う厳選された素材の仕組みが不足しているならBioRenderを選びましょう。自分の資料から図を生成し、必要な箇所を修正して編集可能なファイルとして渡したいならSciFigが適しています。次に考えるのは、図を作る頻度にそれぞれの料金体系が合うかどうかです。
FigureLabs・BioRender・SciFigの料金比較

対応する年間Starter・Plusプランを比べると、標準生成の単価はSciFigのほうが低くなります。一方、FigureLabsの初年度Proキャンペーンは、標準生成あたりの価格が低くなります。SciFigの標準生成は50クレジットを消費するため、年間Starter・Plus・Proプランの月ごとのクレジット枠では、それぞれ50回、140回、300回生成できます。
| ツール | 個人向けサブスクリプションの価格帯 | 基本枠で利用できる月間生成数 | 基本枠での図の生成単価 |
|---|---|---|---|
| SciFig | 年払いで月額換算14–37.50米ドル | 標準生成50–300回 | 約0.13–0.28米ドル |
| FigureLabs | 初年度は月額換算9–45米ドル、更新時は10–99米ドル | 標準生成20–400回(1K) | 初年度は約0.11–0.45米ドル、更新時は0.25–0.50米ドル |
| BioRender | Academic Individualは年払いで月額換算35米ドル(年間420米ドル)、月払いでは39米ドル。AI追加オプションは年払いで月額換算4米ドルから | 最小の追加オプションは毎月50クレジット、または年間600クレジットを一括付与。編集可能な図は1クレジット、アイコンは10クレジット | 追加オプションのみで編集可能な図あたり0.08–0.10米ドル。基本契約料が別途必要で、出力の種類も異なります |
固定の月間プランクレジットで計算すると、Starterの標準生成単価はSciFigが0.28米ドル、FigureLabsが0.45米ドルです。Plusでは約0.14米ドルと0.16米ドルです。FigureLabsの初年度Proは約0.11米ドルで、SciFigは0.13米ドルです。FigureLabsの更新料金で比較すると、対応する年間プラン三つすべてでSciFigのほうが低くなります。
SciFigとFigureLabsの有料プランでは、毎日の報酬を受け取った日に、当日限り有効な100クレジットを追加できます。これは標準生成二回分に相当します。30日間すべての報酬を使った場合、初年度のStarterとProはFigureLabsのほうが低く、Plusは両社とも標準生成あたり0.10米ドルになります。BioRenderは別の仕組みです。Academic Individualは素材を手動で組み合わせた図を対象とし、AIの最小追加オプションは月間50クレジットで5米ドル、または年間600クレジットで48米ドルです。編集可能な図と独自アイコンでは、生成に必要なクレジット数が異なります。追加オプションだけの単価には基本契約料が含まれず、同じ種類のイラストを作る価格として直接比較することはできません。
SciFigにはクレジットパックの単発購入もあります。サブスクリプションは不要で、パックのクレジットに有効期限はありません。
出版利用の権利と編集可能なファイル
SciFigも、無料の出力は評価目的に限定しています。有料サブスクリプションまたはクレジットパックを購入すると、有料アクセス中に生成した成果物を、適法な商用・学術目的で世界中で永続的に使用できる非独占的ライセンスが付与されます。この利用許可は、サブスクリプションの解約後やパック残高を使い切った後も有効です。著者は引き続き科学的内容を確認し、投稿先の学術誌の方針に従う必要があります。
どのFigureLabs代替ツールから試すべきか
研究資料から直接科学図表を作りたい、ラスター画像を編集可能なSVGに変換したい、手元のSVGの編集を続けたい、図を作り直さずに特定のテキストや要素を直したい場合は、SciFigを選びましょう。生命科学の大規模なアイコンライブラリ、再利用できるテンプレート、チーム共同作業が優先ならBioRenderが向いています。
CSVやExcelの実データをグラフにし、Pythonコードを書き出すことが主な要件なら、FigureLabsのほうが適しています。科学イラストの生成や、編集可能なSVGを使う作業にはSciFigから始めてみてください。
テキスト・ラスター画像・既存SVGからSciFigで始める




